大分県
なつほのか
産地の特徴
大分県はその面積の70%が山林で、水田・耕地は県北地域や大分市郡域、主要河川流域の一部を除いては、大部分は谷あいの河川流域に拓かれています。
平野部では水量の豊富な河川、中山間の谷あいでは豊富な湧水に恵まれ、干ばつの影響を受けにくいこと、品質や食味を大きく左右する昼夜の温度差が大きいこと、盛んな畜産による堆きゅう肥を利用した土づくりを行っていることなどが良食味米産地といわれる所以です。
さらに大分県の特徴として特筆すべきは、九州高峰のひとつである久住山系を有し、日本列島の縮図といわれるように海抜0~800mのなかで、標高ごとに条件のあった品種を選定し、良質米の生産が行われています。
「なつほのか」は温暖化による高温障害を受けやすい「ヒノヒカリ」に代わる品種として令和4年度より、本格的な栽培が開始され、平坦部・湾岸部を中心に県内全域で作付けされております。
品種の由来
高温登熟耐性を持つ良食味米であり、夏に出穂・収穫する稲穂の香りをイメージして命名されています。
産地の取り組み
産地背景
大分県の耕作地は、標高に応じて大きく4つのエリアに分類されます。①平坦部(標高0~100m)②中間地域(標高100~300m)③山間地域(標高300~600m)④高冷地(標高600m以上)。
地域によって土質や土地条件が異なり、成り立ちも違うことから、産地では、それぞれに高品質・安定生産に向けた土壌改良や基盤整理に積極的に取り組んでいます。
また、近年では気象の変化に対応した品種選定や多収性品種の推進など、生産者の手取りを維持しながら需要に応じた品種の切替にも取り組んでいます。
お米の特徴
なつほのかの概要
「なつほのか」は鹿児島県において、「にこまる」を親として育成された新しい品種です。
「ヒノヒカリ」並みの良食味を備えています。玄米の粒形は大粒であり、高温耐性のため白濁は少なく収量・品質が高い傾向にあります。その他の特徴としては、倒伏耐性を持ちますが、いもち病抵抗性は「ヒノヒカリ」並みにやや弱いとされています。
令和4年産米の食味ランキング(日本穀物検定協会)で最高評価の「特A」を獲得しており、大分県では、「やさしくほのかな甘い香り」のイメージのもと奨励品種として作付け面積拡大を推進している品種です。